【100本ノック #29】合格習慣化の鍵!墜落(その2)の知識「墜落制止用器具」を定着させる(安全管理編⑧)
今日も『100本ノック』を始めましょう。前回に引き続き今回も墜落を扱います。前回の穴埋め回答は、「作業床 フルハーネス型 1.5m を超える 防網の設備 85cm 以上」でした。同様の設問となります。前回設問はR4年、今回はH30年です。試験での得点はもちろん、実務でも必須です。毎日の業務での確認も含めて、一緒にみていきましょう。
【今日の100本ノック】
- 事業者は高さが2m 以上の箇所で作業を行う場合において 墜落により労働者に危険を及ぼす 恐れのある時は 足場を組み立てる等の方法により 作業床を設けなければならない
- 事業者は高さが2m 以上の箇所で作業床を設けることが困難な時は 防網を張り 労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等 墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない
- 事業者は労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させる時は 要求性能 墜落 制止用器具等およびその取り付け 設備等の 異常の有無について 随時点検しなければならない
※太字は穴埋め回答です
【試験対策として】
1、2、3、全文 実務で必須なので、確認程度でいけるでしょう。「要求性能墜落制止用器具」というワードがでてきます。実務では、「安全帯」と通称することが多いと思いますが、安衛則ではこのように表現されています。H31-R4年までが旧規格の経過措置でした。その直前での出題という背景もうかがえます。今一度、覚えておきましょう。
【実務として】
「要求性能」というキーワード、ありとなしで、一体全体、どこが何が違うのか?と思いませんか?色々、調べてみると変遷は以下のようです。
- 「安全帯」と呼んでいた頃:胴吊り(U・1本)・ハーネス(衝撃の定規格なし)
- 「墜落制止用器具」:胴吊りUが外れて=墜落しないだけ=墜落時の衝撃の定規格なし
- 「要求性能墜落制止用器具」:原則フルハーネス、墜落時の衝撃規格
上記のように変遷してきたと、超ざっくりのイメージでもっておけば、何かのときの説明に窮することは、さけられるでしょう。

下記の表は上記をもう少し、詳しく記載したものとなります。ご参考になれば・・・。
| 項目 | 旧規格時代の器具:安全帯 | 名称変更後の大分類:墜落制止用器具 | 現行の義務化基準:要求性能墜落制止用器具 |
|---|---|---|---|
| 法令上の位置づけ | 法第42条に基づく政令で定められた機械等(旧規格) | 労働安全衛生法施行令(安衛令)第13条第3項第28号に基づく名称(安衛令改正) | 労働安全衛生規則(安衛則)等において、使用が義務付けられた性能を有する器具 |
| 定義される器具の範囲 | 胴ベルト型(一本つり)、胴ベルト型(U字つり)、ハーネス型(一本つり) | 墜落を制止する機能を持つものに限定。胴ベルト型(U字つり)は含まれない。 | フルハーネス型が原則。胴ベルト型(一本つり)の使用は高さ制限を受ける。 |
| 衝撃吸収性能 | 厳格な衝撃吸収性能の定義なし。胴ベルト型は墜落時に内臓損傷等の危険性が指摘されていた。 | 新規格導入により、衝撃を緩和するショックアブソーバの性能基準が導入された。 | ショックアブソーバの種別(第一種/第二種)衝撃荷重の上限(4.0kN以下など)が明確に定義され、性能要件の達成が求められる。 |
| 高さによる使用制限 | 旧規格の胴ベルト型は、経過措置期間中(2022年1月1日まで)は高さ制限なしで使用が認められていた。 | — | 高さ6.75メートルを超える箇所での作業は、フルハーネス型の使用が義務。(6.75mは落下距離の最低基準から算出される)。 |
| 特別教育の必要性 | 旧規格の胴ベルト型使用時には、特別教育は不要であった。 | — | 「高さ2m以上で作業床を設けることが困難なところ」においてフルハーネス型を使用する業務に就く労働者は、特別教育の受講が義務付けられる。 |
| 使用可能期限 | 2022年1月1日をもって、製造・販売・使用が原則として不可となった。 | — | 2019年2月1日以降、新規格に適合した器具の使用が可能であり、2022年1月2日以降はこれが原則必須である。 |
※以下の出展をもとに、筆者要約
出展:
厚生労働省 報道発表資料(新規格告示) https://www.mhlw.go.jp/...
厚生労働省 墜落制止用器具に係る質疑応答集 http://www.mhlw.go.jp/...
また、実務において特に重要なのは、3です。「事業者は・・・ 要求性能 墜落 制止用器具等およびその取り付け 設備等の 異常の有無について 随時点検」とあります。「随時」とは、作業開始前が妥当でしょう。取り付け設備(=親綱等)の点検が最も重要です。
2025年9月21日現在、記録は義務ではありませんが、改正安衛則「足場(つり足場を除く)における作業開始前の点検」がR5.10.1にすでに 施行されています。**この記録簿に数行たせばいいだけです。**これだけで、万が一の事故の際に、会社とあなた自身がやるべきことをやっていたと証明する『盾』になり、また、安全パトロールで『うちはここまでやっています』とアピールする『武器』にもなるのです。
厚労省HPより
https://jsite.mhlw.go.jp/hiroshima-roudoukyoku/content/contents/001760332.pdf
問題文と回答を読み上げています。
電車の中で、運転中に聞き流して、問題文と単語の慣れにどうぞ。
「VOICEVOX:青山流星」
この『100本ノック』は、合格のためだけでなく、実務のベースとなる知識を身につけるためのものです。
次回も、安全分野⑨として、墜落(その3)を扱う予定です。


