【経験記述】受験直前配信 (品質管理編)~暑中時期の断面修復工を例題として~

1級土木2次の最難関「経験記述」。準備をしてきたけれど、少し自信がない、どうもしっくりこない、という方。あるいは、インフラメンテがメインだから、と悩んでいる方。この受験日直前の今だからこそ、一緒に考え、その不安を少しでも解消していくお手伝いとなればと思います。

受験当日・前日の過ごし方記事はこちら

1. 工事諸元:あなたの経験と、答案の「整合性」

まず、工事名や立場を記す部分。ここで重要なのは「立場」や「主な工種」と、あなたが記述する内容が合致しているかです。
例えば、主工種が「法枠工」なのに「断面修復工」で苦労した話を書いたり、1次下請「土工」の施工管理担当という立場で「断面修復工」を語ったりすると、採点者は違和感を覚えるでしょう。以上は極端な例ですが、違和感のないような、受験申込の経歴とも整合がとれた案件を選ぶのが無難です。

2. 品質管理:思考のプロセスを記述する

(1)ありがちな失敗:「作業報告」で終わらせない

「計量を確実にして、清浄な水道水を使用した」「混練は1袋づつ、ダマにならないように、3分を確実に行った」といった記述は、単なる作業報告です。これでは高評価は望めません。

(2)「技術的課題」とは何か?

「技術的課題」といっても特に難しく考える必要はないです。ルールとしてあるが、この現場では、これがやりにくかった、それが技術的課題です。

具体的には施工や材料には、これだめよという、「べからず」(技術基準といいます)が存在します。これのことです。

誤解をおそれずに、もう少しくだけた表現をするならば、施工計画書の記載事項と考えていいでしょう。

技術的課題に特化して考察したブログ記事はこちら

(3)記述のヒント:「なぜ?」を掘り下げる

・現場での苦労を思い出してください。上司(監理技術者・現場代理人)から特に強く注意されたこと、なぜそこまでするのかと疑問に思ったこと。それが「検討項目」のヒントになります。

・例えば、暑中での断面修復材の品質管理。「可使時間30分以内」「練り上がり温度30℃以下」というルールがありました。

・なぜ、上司はこれの遵守を強く指示したのでしょう?それは、普段と違う状況があったからです。

・40℃を超える猛暑日、練り場から施工箇所までの遠い距離、長い運搬時間…。このように、複数の悪条件が重なっていませんでしたか?

断面修復材の暑中時の技術基準と現場の乖離、解決手法を3つのイラストで表現した1枚

①可使時間のべからず

ミキサで2袋ずつ練ろうとするから左官が時間がかかる→どうする

ミキサで練ろうとするからアクセス困難で時間がかかる→どうする?

足場に持って上がるから時間がかかる→どうする(例)一度に練る量を減らす?では、その練り方は?運搬方法を変える?

②練上がり温度のべからず

そもそも外気温が30℃超えだから練上がり温度に影響する→どうする

暑い時間帯に入ると、用意していた水の温度が上がる→どうする

足場内の温度が高いので温度上昇に悪影響→どうする

粉体の温度上昇も影響している→どうする

練り混ぜ後の硬化が速く使用できない→なぜ速まっている?その対策方法としてクスリ?日射は?水分蒸発かな?

このように、「なぜ、その対策をする必要があったのか?」を思い出し、「べからず集(技術基準)」と突き合わせることで、現場状況・課題・検討という、経験記述の骨子が書けるはずです。
これは、生コンの配合、練り混ぜ、運搬、打込み、締固め、養生まで、すべてに共通する考え方です。また、断面修復工であるからこそ「打継ぎ」が存在します。この対策をいれても多くの要素がかんがえられるはずです。

いずれにしても、対策そのものを近視眼的にみることなく、対策の考え方に焦点をあてて、記述することが重要です。そして「経験記述」ですから、対策効果を具体的な数値(定量的)で表現すると採点する側の納得が得られることでしょう。

暑いのだから、暑くない時にやる
暑いのだから、冷ます
硬化が速いのだから、遅くする
時間がギリギリだから、速くする

試験日が迫ってきていますが、いかがだったでしょう。立場・経験との整合性や、書き方の手順など、参考になれば幸いです。
次回は安全管理の経験記述を、みなさんと一緒に考えてみます。

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※受験日までの最終週は、「実務のヒント」はお休みして受験準備に特化した内容をお送りしています。

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