【1級土木2次・専門記述問題#3】施工編:知識を定着させ、実務に繋げる
前回2回に渡ってお届けしたコンクリート編、いかがだったでしょうか。「目的から追う」「不具合から見る」「違和感」、「本番ド忘れ対策」と「予備知識」、コンクリート関連の出題傾向は網羅できているはずです。前回記事と併せて、さらに内容をもう一度確認しておきたい方は、コンクリートまとめが参考になると思います。ご活用ください。(100本ノック コンクリート編まとめはこちら)
さて、今回は、コンクリート編同様、頻出そしてパターン化されている『施工』の設問を取り上げます。一見、難しそうに見えるこの分野ですが、実は出題パターンが決まっている、合格への近道です。今回は、この最重要分野を攻略する記事です。
1. 合格点を掴む「思考の型」:2つの出題パターンを分解する
過去問は、挿絵つきで土工を伴う工種の実施方法・留意点を問う内容です。パターンは「土留め+掘削」と「オープン掘削+プレキャスト設置」の2つです。
(1)「土留め+溝掘り掘削」
これは、同じ挿絵で繰り返し出題されているパターンです。問われるのは、掘削順序、過掘り防止、漏水処理、場内排水、軟弱地盤での掘削といった項目です。
頻出テーマの考え方:
・管きょ工事の経験者には常識でも、慣れていないチームには危険なパターンです。掘削順序は、左図のように「矢板の足元が弱点だから、そこを残せばよい」と分かります。
・過掘り防止は「床付け面が見えればよい」ので、そのための方法を考えます。より丁寧な作業が必要になるので、その具体策を記述すればよいのです。

軟弱地盤について:
ヒービング現象や、掘削機械の足場の安定性を考えれば、対策はおのずと見えてきます。
(2)「オープン掘削+プレキャスト設置」
このパターンは、工種名を穴埋めし、施工留意点を記述する形式です。穴埋め箇所は、ほとんど「床掘工」「敷設工」「埋戻し工」です。
- 床掘工: 「掘削工」と慌てて回答しないように注意しましょう(施工基面より上か下、埋め戻しありなしが分かれ道です)。
- 敷設工: 水路の据付のようですから、水の流れや重力を考えれば、順序は「下流側から」と判断できます。「通り」「高さ」「継手」といった常識的なポイントを記述します。
- 埋戻し工: 狭い場所での作業を想定し、小型機械の使用や、部材に偏圧がかからないような配慮を記述します。
- (難問)連結工(プレストレス導入): 分からなくても想像を働かせましょう。プレストレスは10トン以上の力となるのが通常です。その力の確認方法や、段階的に力をかける際の挙動管理などがポイントになります。「力をかける」という行為を、ボルトの締め付けなど、他の作業と連想できれば、得点できる可能性が高まります。
【実務の視点】ここは「腕の見せ所」、そして「一番危険な時」
(1)「土留め+溝掘り掘削」について
メイン工種の付帯工事として、この作業が出てくるときが一番危険です。掘削に慣れていない技術者と作業員のチームで、現道掘削を行うことが多いからです。日々の施工量と工程管理、詳細な施工計画が極めて重要になります。
(2)「オープン掘削+プレキャスト設置」について
理想的な現場条件、「地山がカチカチ」・「シミ(漏水)」もなく「カンカン照り」(=硬い地山、水なし、晴天続き)など、まずありえません。現実には、地山条件は悪く、地下水や雨に見舞われます。この厳しい現実を差配してこそ「やれる現場技術者」です。
また、オープン掘削ということは、工事ヤードの広さがあるということです。すなわち、ヤードの使い方(レイアウト)次第で工程が大きく変わり、まさに「儲けどころ、腕の見せ所」。決して、声の大きな協力業者に牛耳られたり、御用聞きの現場代理人に成り下がって利益を逃したりしないようにしましょう。(このあたりは、今後予定している現場代理人シリーズでお伝えしていく予定です)
このブログ記事は、合格のためだけでなく、実務のベースとなる知識を身につけるためのものです。
次回の記述問題シリーズでは「環境」を扱います。「騒音・振動」や「産廃」といった、現場代理人として地域社会との信頼を築く上で欠かせないテーマです。一緒に楽しみながら合格を目指しましょう!お楽しみに。


