【経験記述】暑中コンクリートの書き方 ~「作業報告」で終わらせない3つのコツ~
なぜ今、「暑中コンクリート」なのか?
「とにかく暑い」毎日ですが、経験記述のテーマを考えると、実務面からやはり、暑中コンクリート対策はイメージしやすいのではないでしょうか。今回はこの「暑中コンクリート」に特化して、経験記述のネタを一緒に考えていきたいと思います。
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そもそも、暑中コンクリートの定義は何だったでしょう。「日平均気温が25℃を越えることが予想される期間」とあります。私が住む地域では、すでに20年前の2005年の時点で、6月下旬から9月までが該当する状況です。
| 年 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
|---|---|---|---|---|
| 2000年 | 22.8 | 28.2 | 29.1 | 24.8 |
| 2005年 | 24.5 | 26.9 | 28.1 | 25.6 |
| 2010年 | 23.9 | 27.8 | 29.5 | 25.9 |
| 2015年 | 22.6 | 26.8 | 28.2 | 23.0 |
| 2020年 | 24.6 | 25.4 | 30.3 | 25.4 |
| 2024年 | 23.9 | 29.1 | 30.2 | 28.4 |
(気象庁HPデータより抜粋)
昨年の穴埋め問題にも出題され、「100本ノック」でも扱いましたが、改めて暑中コンクリート対策をおさらいし、深掘りしていきましょう。
「100本ノック暑中コンクリート」記事はこちら
コツ1:守るべき「ルール」を「技術的課題」に変換する
施工のルールとしてマスト3項目
- 練り混ぜ~打込みリミットの90分ルール
- 打ち重ねリミットの120分ルール
- 生コン温度リミット35℃
あなたの現場で、これらのルールを守るのが難しくなった状況こそが、経験記述で語るべき「技術的課題」となります。
「技術的課題」の記事はこちら
コツ2:基本戦略から「具体的な対策」を導き出す
では、その課題にどう対策したか(するか)? 難しく考える必要はありません。単純に対策の基本は、以下の4つです。
- 暑いのだから、暑くない時にやる
- 暑いのだから、冷ます or 暑くならないようにする
- 硬化が速いのだから、遅くする
- 時間がギリギリだから、速くする
以上の対策の基本から、あなたの現場で実施した具体的な対策を思い出してみましょう。(実は対策は過去問にも示されていますね)
- (課題)暑い→水和反応速い→配合で水多め→スランプ確保難しい→ではどうしたか?
- (課題)暑い→35℃どころか外気温40℃→生コン現着時には35℃超当然?→ではどうしたか?
- (課題)暑い→鉄筋・型枠なんて卵焼きができそう→生コン入れるとやばい→ではどうしたか?
- (課題)暑い→が、なんとか打設できた→湿潤養生必須だが→いつから、誰が、どうしたか?
このように、あなたの現場状況と、当時とった対策を結びつければ、経験記述の骨子が完成します。
コツ3:「作業報告」から「技術的記述」へ昇華させる
しかし、ここで注意が必要です。例えば、対策を「散水を行った」とだけ記述した場合、採点者には「単なる作業報告」と受け取られ、評価が低くなる危険があります。
【ありがちな記述】
「暑中コンクリート対策として、散水を行った。」
↓
【評価される記述の方向性】
散水の必要性や目的(水和反応の緩和?コールドジョイント対策?)、そして効果を、具体的な手法や数値とセットで記述することで、あなたの経験が「技術的な工夫」として、採点者にきちんと伝わるのです。
「言うは易し、行うは難し」― 実務の壁を越えるために
実務では、これらの対策を計画通りに実現することが最も難しい部分です。下請け任せでは、どこかで抜け落ち、期待した品質が得られないこともあります。
この「計画と実行のギャップ」を埋める思考の繰り返しこそが、あなたの実力を高め、監理技術者・現場代理人としての本当の面白さに繋がっていきます。
このブログが、受験準備を通じて、あなたが現場でモノを造り込む面白さのステージへ上がる、きっかけになれば幸いです。では、次の記事でまたお会いしましょう。
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【現場を動かす全ての技術者と、経営者の皆様へ】
この【経験記述】暑中コンクリートは他人事ではありません
現場の最前線に立つ技術者が、この「暑中コンクリート対策」に記述されていることを、真に現場で実行できるか否か、ここが最重要です。
1級土木 経験記述は、思考そのものが現場の利益を叩き出す根源であり建設会社経営そのものに直結します。
例えば、夏場のコンクリート打設の失敗は、
- 数百万単位の「損失」: 不良部分の撤去・再打設にかかる直接的なコスト
- 致命的な「工期遅延」: プロジェクト全体の遅延による違約金リスク
- 配置技術者の拘束:他現場への応援配置、次の案件での新規配置
- 工事成績評定の「低下」: 次の案件で勝てなくなる、未来の機会損失
といった、具体的な経営リスク(経審のX点、Z点への影響)に他ならないからです。
「個人のスキル」を、いかにして「組織の利益」に変えるか。
当事務所では、技術者一人ひとりへの指導はもちろん、その知識が企業全体の強みとなる「仕組みづくり」を支援しています。
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今後、1級土木受験応援の次シリーズとして、(仮称)現場代理人シリーズを実務実践(変更実務・協議調整・意思決定etc)に特化した記事を配信していきます。
こちらもお楽しみに。『「工事成績評定の本質」実務支援シリーズ』始まりました。こちらからどうぞ


