【1級土木2次・専門記述問題 #5】土工編:知識を定着させ、実務に繋げる

前回は頻出問題「環境」をお届けしました。「施工」と同様、設問の型を準備しておくことで、さらに合格が見えてきたことでしょう。

今回は、「土工」を扱います。「範囲が広すぎて、どこから手をつけていいか分からない」という声をよく聞きますが、出題傾向を分析すると、外せない頻出テーマが2つあります。ここを一緒に見ていきましょう。

1. 合格点を掴む「思考の型」:2つの最重要テーマを攻略する

土工の過去問で頻出する2大テーマは「軟弱地盤対策」と「盛土の締固め管理方式」です。どちらも知識問題なので、知らないと答えようがありません。ここで確実に抑えておきましょう。

(1)軟弱地盤対策

「この軟弱モノめが、シャキッとせんか!」と、昔のアニメにありそうなセリフですが、そもそも「軟弱」の正体は何でしょう?それは「粘土質で、水はけが悪く、ゆるい」の三拍子です。この「軟弱モノ」の上に構造物を作れば、周辺の民地まで巻き込んで沈下するなど、大変なことになります。

原因が土質・水気・緩さにあるのですから、対策は、力で締めて水を抜くか、いっそ土質ごと変えてしまうか、です。

軟弱地盤とその対策を粒子スケールの2枚の絵で表した
軟弱地盤対策のうちサーチャージ・サンドマット・サンドドレーン工法をわかりやすくイラストとして表現した1枚

サンドマット工法は、「砂敷き」というわけで軟弱地盤の上に50~120cm砂を載せて、砂の重さで圧密・排水層を兼務し、さらにトラフィカビリティまで確保するというものです。

サンドドレーンは「砂の管」ということで、砂の管(柱)を軟弱地盤に形成して圧力と管機能で排水します。

深層混合処理工法(機械撹拌工法)薬液注入は、現在ある土に何かしらをして変えます。前者は固化材と現地盤をかき混ぜます(撹拌)。後者は薬液を注入して土粒子のスキマをクスリで充填、改良するわけです。

掘削置換工法は、現地盤そのものを除去して、良い材料に置き換えます。(なので、浅いところに適用)

(2)盛土の締固め管理方式

軟弱地盤でなくとも、緩い土は締固めて、水や空気を抜いて強固にする必要があります。子供が砂場で砂を叩く、あれですね。その管理方式が、「品質規定方式」と「工法規定方式」の2種類です。

  • 品質規定方式: 仕上がりの「品質(締固め度など)」を数値で管理する方式。施工方法は受注者に任されます。
  • 工法規定方式: 施工の「やり方(使用機械、盛土の厚さ、転圧回数など)」を発注者が指定する方式です。

土の締固めについてはこちらが参考になります。

※「方式」は発注者が決めるわけですが、その使い分けの決めては何でしょうか?答えは、材質が一定でない・現場が不安定で工法規定が不向き、などがあげられます。

【実務の視点】これが、あなたの評価を左右する「検査での一問一答」だ

あなたは、橋梁下部工の耐震補強工事で、掘削と埋戻しを行う現場代理人です。工事完了後の検査で、検査員からこう質問されました。

「では、細かいところの確認ですが、今回の埋戻しの締固め管理についてお聞かせください」

「その手法(品質規定か工法規定か)を採った技術的根拠と事務手続き資料、施工管理記録を確認させてください」

あなたなら、どう回答しますか?

これこそが、「実務実践力」の差が大きく現れ、工事成績評定に直接的に影響する瞬間なのです。「やらされ」の技術者はここで言葉に詰まり、「やる、やれる現場代理人」は、サラリと、よどみなく、その施工プロセスと根拠、事務手続き一切と施工管理資料を具体的に説明します。

そして、もし不備があったときこそその真価を発揮するのも実務実践の積み重ねあってこそ、できる説明の仕方があります。

当事務所では実務実践研修で、竣工検査の要点やポイント、検査官の視点を座学で伝え、実践的なロールプレイを通じて、そのような実務実践力の養成を行っています。よければこちらも(技術サービスページ)もご参考ください。

また、今後予定の「現場代理人シリーズ」では、このような事例もとりあげ、実務のヒントとなる記事を配信する予定です。そちらもお楽しみに。

竣工検査での書類検査の様子を机上に相対する二人の人物のやりとりの写真でイメージを表現した

このブログ記事は、合格のためだけでなく、実務のベースとなる知識を身につけるためのものです。
次回からはいよいよ、本シリーズ最終章となる「安全」を扱います。一緒に楽しみながら合格を目指しましょう!

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