【1級土木2次・専門記述問題 #4】環境編:知識を定着させ、実務に繋げる

前回は頻出問題「施工」をお届けしました。設問の型2パターン「土留め+溝掘り掘削」「オープン掘削+プレキャスト設置」を準備しておくとかなり高確率で得点できるでしょう。回答のコツは落ち着いて、原因や施工過程から設問を読み返すことで、常識的に答えられるはずです。

今回も、過去問題で頻出されている環境を取り上げます。今回の環境分野を準備することで、記述問題も60%突破の可能性がさらに高まることでしょう。また、この分野は実務でも当然に必要な知識ですね。では、一緒にみていきましょう。

1. 合格点を掴む「思考の型」:2つの出題パターンを分解する

環境分野の過去問も「施工」同様、パターンは2種類。これを抑えることが合格への近道です。また、この2パターンは回答しやすい内容ですので、出題されれば必ず得点しましょう。

(1)「騒音・振動」の対策

騒音振動のイラスト上に進入禁止イラストを配し、その対策をイメージした1枚

夜間工事での伸縮装置取替など、現場では「こりゃちょっと想像以上だな。苦情が来るかもな…」という場面がありますね。

肩をいからせて近づいてくる地域住民の方、もちろん「うるさいぞ!」というお叱りです。似たような経験は皆さんあると思います。

しかし、試験問題としては非常に答えやすい設問です。対策を分野別に考えてみましょう。

  • 発生源対策: 「うるさい」の根源を断つ。(例:工法自体の見直し、作業日時の変更、低騒音型機械の使用、作業動作の見直しetc)
  • 伝播経路対策: 「うるさい」が伝わるのを防ぐ。(例:防音壁の設置、防振マット、機械の点検整備、空ぶかし禁止etc)

(2)「建設廃棄物」の場内保管

設問は具体的な措置を問うもので、これもサービス問題と言えます。法律の定めの中から、常識的なものを選んで記述すればよいでしょう。

※産廃(既設伸縮装置の処分に関する)は、こちらの記事もぜひ、ご参考ください

左図は建設廃棄物の一覧表です。皆さん建設廃棄物と聞いて、何を思い浮かべますか?コンガラ、鉄くず、汚泥あたりが代表的ですね。

型枠やコンパネ類は木くず、手袋等は繊維くずに該当するでしょう。また、各種材料の梱包材なども適用されます。

対策として、以下が考えられるでしょう。

  • 保管: 飛散・流出防止、囲い、掲示板の設置など。
  • 分別: 再生可能品目の分別徹底、分別容器の表示など。
  • 収集運搬: 種類に応じた車両の使用、過積載の防止など。

出展国土交通省HP

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/recycle/d01about/d0101/images/teigi1.gif

【実務の視点】環境対策は「最強のリスク管理」であり、「最高の広報活動」である

「騒音対策や産廃の分別は、正直、面倒だ」というのが現場の本音かもしれません。しかし、「やる、やれる現場代理人」は、これが現場で最も厄介なリスクである『地域住民とのトラブル』を防ぐ、最強の武器であり、さらに工事成績評定に密接に関連していることを身をもって知っています。

例えば、工事成績評定点の具体的な項目として以下のようなものがあります。

施工体制一般: 緊急指示、災害、事故等が発生した場合の対応が速やかである。

配置技術者(現場代理人等):現場代理人が、工事全体を把握している、  監督職員への報告を適時及び的確に行っている。

施工状況:施工管理現場条件の変化に対して適切に対応している。

安全対策緊急時の体制及び対応と連絡体制が確立されている。

出展:国交省HPより https://www.mlit.go.jp/common/000992832.pdf(筆者抜粋)

騒音・振動による対応のまずさが原因で「工事の一部中止」まで追い込まれる例は多々あります。

そして、このような事態は工事成績評定に大きく響きます。地元と発注者、双方に関わる項目だからこそ、「やる、やれる現場代理人」は労力とコストを惜しまないのです。

(1)苦情やトラブルになった時どうするか

まず、目前の緊急事態に対応しつつ、同じぐらいの優先度で発注者への第一報を入れましょう。今や、トラブル発生時に「発注者が請負者任せ」ということはあり得ません。発注者は、行政への不信感に繋がることを最も気にしており、前面に立って窓口となって対応する時代です。まず、第一報です。

※緊急事態発生の報告様式を発注者から提供してもらい、現場の主要メンバーで数回訓練しておくことを強くお勧めします。

(2)要望にどう対応するか(バランス感覚)

住民からの要望や苦情には、臆することも、逆にかしこまりすぎる必要もありません。公共事業は世のため人のために必要なものです。その上で、相手方の意見を尊重し、誠実な態度で、できる限りの協力をして、対応を確実に実行していくこと。それが、工程への影響を最小限に抑える鍵となります。


このブログ記事は、合格のためだけでなく、実務のベースとなる知識を身につけるためのものです。
次回の記述問題シリーズでは「土工」を扱います。一緒に楽しみながら合格を目指しましょう!お楽しみに。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です