【経験記述】熱中症対策の書き方~「建設現場の熱中症対策が義務化」への対応~

前回、暑中コンクリートの品質管理を題材とした経験記述の書き方の記事を掲載しました。今回は、猛暑関連として、熱中症対策をテーマとして経験記述の書き方を考察してみましょう。

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なぜ今、「熱中症対策」の経験記述が重要なのか?

2025年6月1日から改正安衛法が施行、対象は「WBGT28度or気温31度以上、連続1時間以上or4H/日超」、建設業がモロに該当し、今夏、皆さん、現場で対応されていることと思います。

改正の内容は、事業者の義務は3点「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」措置、穴埋め問題のヤマとしても抑えどころですね。ちなみに、罰則は懲役6ヶ月or罰金50万以下(+行政処分)

経験記述に取り上げるならば、もちろんこの3点、「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」盛り込むようにしましょう。

経験記述として

課題解決(施工計画しかり)の第一歩は現状把握ですね。熱中症対策もそこからはじまります。

手順1:現状の把握(=気象状況の確認)

まずは気象の把握から。例えば、私の住んでいるところの日最高気温が以下です。ここ5年ほどみると、気温ベースで6月~9月の4ヶ月(1年のうち1/3も!)が要対策期間です。

6月7月8月9月
2025年29.534.935.9-----
2024年28.933.835.733.1
2023年28.334.234.932.5
2022年29.132.233.030.6
2021年28.732.332.228.5

気象庁HPデータより抜粋)https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=52&block_no=47632&year=&month=&day=&view=a2

手順2:メカニズムの把握(=熱中症はなぜ起こるのか)

次に課題に至る要因の把握です。今回は熱中症がなぜ起こるのかをおさえます。
ここでは、環境省熱中症予防情報サイトを参考に内容を要約してみました。

①まずは、普段の時と発症時の違い

◯普通の時
気温上昇等→体温が上がる→皮膚温度上昇&汗の蒸発→熱出し

☓熱中症
気温等熱すぎ→熱出しが追いつかずに→体に熱が溜まって(バランス消失して)熱中症

(環境省熱中症予防情報サイトより筆者要約)

「暑い、汗がいくらでもでてくる。汗は出るけれど、乾かない、熱が発散しない。水飲んでもおいつかないし、熱がこもってきたような気がする」

手順3:原因の分析(=熱中症の要因把握)

次は、なぜ熱中症が発生するのか?を把握します。

  • 環境(暑すぎ・湿気ムンムン・風なし・急に暑くetc)
  • からだ(高齢者・二日酔い・太り過ぎetc)
  • 行動(激しさ・長時間・水分補給困難etc)

「そりゃ、この異常気象だったら、熱の発散おいつくハズがない、やばい。なんとかせねば。」

日本生気象学会発出の「WBGT値と気温、相対温度」の関連表を掲載し熱中症発生の危険資料として提供

※環境面で気温・湿気・風速などの複合要因で熱中症が発症するので、WBGT値(暑さ指数)は、湿度、日差し(輻射熱)、風の3つの要素を組み合わせて計算されていることが納得できます。

※例:気温が30℃でも、湿度が高ければ発症リスク大

対策の考え方

だとすると、熱中症回避の考え方は以下となってきます。

・快適な環境に近づける(暑すぎ、ムシムシしすぎ、こもりすぎであれば、もっと快適にしよう)

・職人の様子をよくみよう(あの体格or今日なんか、しんどそうじゃないか?)

・仕事の仕方を工夫しようか(長いんだったら短く、補給困難だったら補給すればいい)

熱中症の原因と過程を女性技術者の様子を左右に、中央に原因3分野を配置することで鮮明なイメージを意識した1枚

手順4:対策の検討

①本質的対策(そもそ論で勝負)

  • 暑い→暑くない時期にずらす(季節・時間)
  • やり方→自動化(or半自動)、プレキャスト化

②工学的対策(作業環境をハード面から)

  • 休憩室・クールダウンエリア・休憩車・日陰(テント)・遮光ネット・ミストファン・送風機・大型扇風機

③管理的対策(人の行動で対処)

  • 健康状態把握電子機器・注意喚起機器・ポスター(啓蒙)・教育・現場巡視・緊急メール・熱中症予防情報メール・健康管理・冷却タオル・クールシート・冷却スプレー・氷・冷却パック・アイススラリー・塩飴・かき氷・水分補給

④保護具(管理的対策の範疇のものもあり)

  • 空調服・冷却ベスト遮光チョッキ・ヘルメットインナー・ネッククーラー・冷却インナー

さて、冒頭に示した3点、覚えていますか?「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」です。上記の対策群で、何かが弱いと思いませんか?

そう、このなかで「手順作成」が今ひとつ決定打となっていませんね。これについては、

今日はやばくなるかも?体調不良の人はいないか、ここまでは上記の対策群で網羅、O.K。そして、もし体調不良の人を発見したら、どうするのか?この手順と啓蒙が重要です。これらの情報は多くのサイトで紹介されていますが、それらを踏まえたうえで、一番効くのは模擬訓練ですね。

熱中症っぽい人を見つけたときの対策は以下(厚労省HPです)など参考に・・・。https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/happen.html

※熱中症だけではなく、モノも日射で熱くなります。鋼製型枠や鉄筋、敷鉄板その他仮設材、車両ボディー等々、触れたらヤケドの危険ありです。こちらも要注意です。

経験記述として

さて、読者のみなさまの現場状況はどうだったでしょう。
現場は明かりor坑内?街なかor郊外?広い工事ヤード内での作業or現道規制しての作業?
工種は土工orコンクリorインフラメンテ?施工規模やタイミングは繁忙or前段階or仕上げ段階?
作業員の構成は高齢者主体?ガードマンの状況は?

これらによって、温度・湿度・通風状況は大きく変わります。現場状況と施工条件、これらから対策の濃淡がハッキリしてきて、より効果的な対策を打っているはずです。そこを記載することで「経験」がダイレクトに採点者に伝わり、合格が見えてくるはずです。

もちろん、「経験記述」なので、対策効果を具体的な数字(定量的表現)で表現することもお忘れなく・・・。


「暑さ寒さも彼岸まで」といいましたが、これは以前の「気候枠組」であったんだと実感する毎日ですね。「とにかく暑い」がまだこれからも続きます。受験対策もいよいよ佳境かと思いますが、くれぐれもご安全に…。

このブログでは、受験準備のためだけでなく、実務のベースとなる記事や、後進育成に役立つような内容を随時掲載していきますのでご活用ください。

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