なぜトヨタは地面に矢印を映すのか?
~メーカー的思考法を1級土木経験記述に・労働安全コンサルタント口述試験対策の「引出し」に~
1. トヨタカローラと小糸製作所の新技術が問いかける「現場の安全」
日経新聞朝刊(2025.9.5(金))に「矢印ランプ照射/安全の道しるべ」として、ウィンカーに合わせて車が進む方向を路面に照射する「矢印ランプ」がトヨタの主力車カローラに搭載されたという記事が掲載されました。ランプの中に埋め込まれた極小部品が矢印を路面に描く、車が人間に「右に曲がるよ」と光でコミュニケーションできる機能と紹介されています。
つまり、「矢印ランプ」が『意思を確実に相手に伝える』ための新しい言語として機能するわけです。

日経新聞朝刊(2025.9.5(金))に「矢印ランプ照射/安全の道しるべ」として、ウィンカーに合わせて車が進む方向を路面に照射する「矢印ランプ」がトヨタの主力車カローラに搭載されたという記事が掲載されました。ランプの中に埋め込まれた極小部品が矢印を路面に描く、車が人間に「右に曲がるよ」と光でコミュニケーションできる機能と紹介されています。
つまり、「矢印ランプ」が『意思を確実に相手に伝える』ための新しい言語として機能するわけです。
2. なぜ、重機接触事故は減らないのか
建設業3大災害の一つに数えられる「重機接触事故」について今回の記事、「乗用車と歩行者の衝突防止」をヒントに安全管理を再考ができるものと思います。
まず、重機接触事故の多くの安全対策は以下のように、分類できます。
- 本質的対策:重機代替案は現実的な対策ではなさそう?
- 工学的対策:警報システム・センサー
- 管理的対策:立入禁止措置・誘導員・全員で安全意識を持つ(KY活動・職長監視)・コミュニケーションをとる(合図・グーパー運動)
- 保護具等:安全帽や安全靴は一定の効果が見込める
※1級土木経験記述の重機接触対策は上記の組み合わせでいけるはずです
現行の対策が「管理的分野」に集中するなかで、今回の矢印ランプは工学的対策に分類されるでしょう。「まだ重機にそんなものは搭載されていないからな~」とスルーするのは簡単ですが、メーカー的思考法を取り入れて再考することが一歩うえの受験対策そして実務実践力の養成につながります。
3. 受験準備のヒントとして
(1)原因へのアプローチ
前述の重機接触対策が機能していれば、おそらく事故は激減していることと思います。ではなぜ、すでに対策案が講じられているのに事故が減らないのか?
実務では、作業員の接触どころか、誘導員が接触するような事故がなぜ起きるのか?
つまるところ、多くの対策を講じているものの、実効性が薄らいでいるからではないでしょうか。。
今回の記事からヒントを得るとすれば、重機が進行するという意思表示、いわば「情報伝達」がなされていれば事故はほぼ撲滅できるものと思います。なぜならもし轢かれれば、身の危険は自明のことだからです
(2)対策(音・光)への異なるアプローチ
では、今回の新技術をどのように活用していくか?おそらく、直接的な効果よりは、同種機材の導入を契機とした安全意識とコミュニケーションの醸成が現実的な使い方となるでしょう。
- 同種機材の安全管理への取入れをきっかけとして、作業内容の周知に使う。
今回の新聞記事に記載されているメーカはすでに、工事現場用の機材が実用、販売しています。おそらく実務では、この機材の直接的な安全対策の効果よりも、機材導入するタイミングを利用した、協力業者間の意見交換の場を強制的につくる(費用がかかっているぶん、ある程度真剣味がでてくる)ことが安全対策のうえで効果があるのではないかと思います。 - 意見交換を通じ、現場の状況を再認識する。
現場の状況(大きさ(広狭)・形状(正方・長方・多角)・高低・明暗)、作業の全体の流れ、個々のおかれた立ち位置がはっきりとしてくることにより何が危険なのか認識されてくる。 - 意見交換の場をコミュニケーション構築のきっかけとする。
複数下請(作業者)間のコミュニケーション構築のきっかけとする。(顔見知りになれば、傷つける行為や、それにつながる「不安全行動」や「無意識状態」が必然的に減少する)
今回は、自動車メーカーの事故防止の記事から重機接触事故防止の安全管理を考察してみました。みなさんの受験対策の一助となれば幸いです。
このブログでは、最新ニュースを題材として、受験時の参考として、また取得後の実務実践に直結し、あるいは後進育成に役立つような記事の随時掲載していきますのでご活用ください。(本記事は、日本経済新聞2025年9月5日朝刊の記事を参考に筆者の実務経験に基づき執筆したものです)

